スズキ アドレスV100ののキーシリンダー

1.概要

 愛車のスズキ アドレスV100(CE13A)のメインキーがオンになったままOFFにできなくなりました。一度、ハンドルロックをかけて、メットインを開けようと思って鍵を戻したところ、鍵がスカスカになりOFFのポジションには行くがメットインのロック解除や給油口のふたのロック解除などが効かなくなりました。早速、部品をヤフオク・アマゾン・楽天・ヤフーショッピングでCE13A キーシリンダーと検索しましたがみつかりませんでした。(2024/6/17現在ヤフオクにも出回るようになりました。)挙句の果てにWebで見つけた詐欺サイトと思われるサイトに引っかかってしまいました。同様の被害にあわれる方がないように、CE13A用のキーシリンダーが手に入らないのを前提に代替え手段を検討しましたので、備忘録を兼ねて記します。結論から言うと、まだ純正品が入手できるようなので、お高いですがそちらを入手するのが一番かと思います。

2.代替手段(ふたつの可能性で検討)

  2.1.故障した部位を特定して代替品を用意する。
   キーシリンダーを分解したところ、キーシリンダーの中を通る、メインのシャフトのようなものが折れていました。これを、暫定的に修理して、さらに3Dブリンタで代替部品を作りたいと思います。


   2.1.1.暫定手段 
    折れた部位に2mmのドリルで穴をあけ、ミニねじのセットのφ2mmの長いねじのねじ頭をニッパで落とし、穴に入れて瞬間接着剤で接着しました。現在、私のアドレスV100はこの状態で使っています。これでも、普通に使えています。


 残念ながら、これも約3か月でねじが折れてしまいました。



   2.1.2.代替部品を作る 
    3D CADで故障した部品の同等の部品を設計し、3Dプリンタで造形します。DMMの3Dプリントサービスは、金属の素材もありますし、法人用の高性能のプリンタによりプラスチックもパーソナル3Dプリンタの造形と異なり丈夫なものも造形できます。まずは、安価なエコノミーレジンで造形して試してみたいと思います。試作品の設計を行い次のようなものが届きました。



   2.1.3.検証 
     早速組み込んで、動作させてみました。シャフトの上下にあるバネが絶妙で作った最初に作ったプラスチックのシャフトでは十分にバネの力で必要な位置に移動することができず、キーシリンダーの機能さえも再現できませんでしたが、本体に当たっている部分をやすりで削ったところうまく動作するようになり、アドレスに組み込んで使用したところ、とりあえず約2か月使うことができました。主に削ったところのデータを修正したものができたのでそちらで試しましたが、約3か月でオリジナルのシャフトと同様のところが折れてしまいました。







   2.1.4.プラスチックシャフトの摩耗状況
    プラスチックシャフトを入れ替えたので、摩耗状況を確認しました。

@ 最初のシャフトでシャフトの設計ミスで本体に当たって削ったところですが、さらに当たっていたようで少し削れているようでした。修正版では特に当たている様子はありませんでした。
A ハンドルロックを動作させる金具が当たっているところですが、どちらも黒くなっていて当たっている感じがします。多少削れはじめているのかもしれませんが、明確な摩耗ではありませんでした。
B ハンドルロックとフューエルロック←OFF→ON→シートロックの切り替えを行っている(と思われる)肩の部分ですが、ここは角が丸くなり摩耗していました。ここは、折れてしまったオリジナルと両プラスチックのシャフトでもともに多少摩耗しており、どんな影響があるかはわかりませんが、操作に劣化は感じられませんでした。






  2.2.CE11Aのキーシリンダーを使う
   CE11Aのキーシリンダーがアマゾンで入手できたので、CE11A用のキーシリンダーを使うことを検討したいと思います。メットインのロック、給油口のロック、センタースタンドのロックについては当面開いたままとして具体的な手段は別途検討したいと思います。 (高価ながらも、キーシリンダーを入手する方法があることがわかったので複雑なことを検討するのはやめます。)

   2.2.1.キーシリンダーは意外と類似 
    次に、CE11AとCE13Aのキーシリンダーを比較した写真を示します。キーロックまでの距離や固定面までの距離が近い感じで、唯一取り付け穴の位置が明確に違うので、変換アダプタになる板を別途用意したいと思います。幸い、CE11Aのハンドルロックのシャフトが少し長いようなので、まずは3mmのアルミ板で制作できないか検討したいと思います。また、電気回路は、私のCE13AではスイッチがONの時に2個ずつの端子で導通が取れる機能だけのようなので、コネクタハウジングを4ピンから6ピンに変換するだけで動作可能かと思われます。実際、私のCE13Aでやってみて配線改造したヘッドライト以外はエンジンもかかり、テールランプ・ウインカーなど動作確認できました。

高さはほぼ違いはなく少なくとも調整範囲かと。
    

幅は、CE11A用の方が少し短い感じ。何か挟むとちょうどいいかも。
    

ハンドルロックの軸の方は、CE11A用の方が長く伸びる。板を挟み込んでアダプタのようなものを入れてもハンドルロックに影響はないかも。
    

ただし、ハンドルとの接続箇所の形状は異なるため、変換アダプタのようなものが必要。


   2.2.2.接続コネクタの変更 
    接続コネクタはCE11Aが4ピンコネクタ、CE13Aが6ピンコネクタでコネクタがそのままでは勘合しません。ただし、110型という汎用コネクタのようなので私は次の写真のコネクタをアマゾンで購入してピンを差し替えて合わせました。私のCE13Aは橙の線が切れている状態なので正確ではありませんが、ONの時導通があるピンをCE11Aのキーシリンダーでも配置が合うようにしました。接続されているようならば、OFFの時の導通の状態も合わせる必要がある。


導通チェックから推測する接続コネクタのピンアサイン。
    

使用したコネクタハウジング。


    

ピンを1本1本ハウジングからドライバーでロックを外して4ピンハウジングから6ピンハウジングに変更しました。


    


 CE11Aのキーシリンダーは、汎用のキーシリンダーでハンドルロックをあきらめるより少しマシに取り付けられそうな気がします。まだまだ可能性の追求をしているところで、3mm厚のアルミ板を買い込んでφ2mmのドリルとステップドリルでハンドルロックの飛び出た部分が通るようにして、アウトラインのみ描きました。(写真右下)これを金鋸で切ってドリルで穴をあけて取り付けアダプタを作りたいと思います。
まだ未完ですが、とりあえず写真のみ掲載します。

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3.新品もあるみたいです

  3.1.楽天市場で部品番号で出てきました。
   楽天市場で、私のアドレスV100のキーシリンダーの部品番号(37000-41843)を検索したところヒットしました。ちょっとお値段が高いのでまだ購入していません。買って取り付けたら報告します。